二十四孝に会いに行く!

中国の親孝行な人たち・二十四孝に関するものを紹介していきます。

書籍/廿四孝(渓斎英泉)・10 姜詩

姜詩。またもや本人は不在。家の中から嫁を監視する姑。

画像は早稲田大学図書館古典籍総合データベースより 

姜詩
姜詩は後漢の代の廣漢と云所の人なり
字を任道と云 父をうしなひ一人の母につかへて孝道しごくせり
姜子がつまのホウ氏もしうとめに事(つかふ)るにまめやかなり
母つねに江湖とて姜がいへより三十丁ほどはなれたる所の水をこのめり
ホウ氏つねにゆきてその水をくみ来る ある時風雨つよく
女のわざに及ざりしかば その子ゆきて水をくまんとして誤って
江に入て死すといへども母にこれをきかせず
学問のために外へやりたりと云
また母うをのなますをのぞめり 夫婦つねにもとめ母にあたへて歓しむ
かかる孝行のとく 天に通じけん
姜がいへの傍に江湖の水わきいで池となり
朝ごとに鯉ありて労せずして心のままに
母に孝行をつくせしとなり 夫婦がまことをかんじ
天より給ふものなるべし

詩曰
舎側甘泉出 一朝双鯉魚
子能知事母 婦更孝於姑 

後漢書といへるふみに ホウ氏が水をくみに出て風雨つよく
かへることおそく母水にうへたりとて姜子妻をいへにいれず
りんかにありて母に孝を尽せしこともみへたり

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茶色の文字の部分、さらっと怖いこと書いてありますね。暴風雨のため、お嫁さんが水を汲みに行けず、代わりに子供が水汲みに行き、江に落ちて死んでしまった。でもおばあさんには「子どもは学問のため家を離れた」とかなんとか言って誤魔化した、と。もちろんフィクションだと思いたい。