一番初めは大舜。白象と黒象、鍬を担ぐ大舜。鳥は飛んでいるのと、枝でくつろいでいるのがいますね。
国立国会図書館デジタルコレクションより
大舜
隊々耕春象 紛々耘草禽
嗣尭登宝位 孝感動天心
大舜はいたつて孝行なる人なり。
父の名は。こそうといへる。一段かたくなにして。
母はかたましき人なり。
おととは おほひにおごりていたづら人なり。
しかれども。大舜はひたすら。孝行をいたせり。
あるとき。れきさんといふところに。耕作しけるに。
かれが孝行を感じて。
大象が来たつて。田をたかやし。又鳥飛来たつて。
田の草をくさきり。
耕作のたすけをなしたるなり。
さて其時の天下の御あるじをば。尭王と名付けたてまつる。
姫君まします。姉をば。蛾皇と申。妹を女英と申侍り。
尭王すなはち。舜の孝行なる事を。きこしめしをよはれ。
御むすめを妃にそなへ。
つゐに天下をゆづりたまへり。
これひとへに孝行のふかきこころよりおこれり
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