二十四孝に会いに行く!

中国の親孝行な人たち・二十四孝に関するものを紹介していきます。

書籍/廿四孝(渓斎英泉)・1 大舜

トップバッターは大舜。3ページに渡って紹介されています。

右側の絵は皇帝になってからの舜ですね。左側の見開きは幼少時代の舜。

それにしても文章多いです・・・。

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早稲田大学図書館古典籍総合データベースより

尭帝にヘッドハンティングされて皇帝になり、尭帝の娘さん二人をお嫁さんにもらって、まさにこの世の春。

別の版はちょっと印刷が薄いですが、大舜の様子はわかりやすいです。岩の上には風呂敷包み。笠を脱ぎ、鍬を脇に立てて一休み。右手を上げて象に話しかける姿ですね。

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早稲田大学図書館古典籍総合データベースより

大舜

有虞氏帝舜姓は姚 名は重華 黄帝の後なり はじめはいやしき人なれども 
よく孝行を尽し給ふゆゑ つひに天下の主となり玉ひ 四海の民を撫育し
国家安寧におさまり 聖王と仰がれ給ふ
虞といふところにて産れ玉ひしゆゑ虞舜といふ 
のちに天下をたもち給ひても其代を虞とよびけるなり
舜は瞽叟(こそう)といふ盲目の子にて いやしき身なれども
親につかへて孝をつくし給ひけるに その父頑(に?)て慈愛のこころすこしもなく
そのうへ母におくれ給ひ継母は「嚚(ひすかし)」とて口にさへ忠信のことばもいはず
日夜舜をにくみ おのれが産ける弟の象といへるいたづらものの
あそびにふけりおごるを父母これをいつくしみ舜にあいれん(哀憐)をくはへざれども
舜はこれを心にかけず親は親たらずとも 子は子たらずんはあるべからずといへる道を守り
父母をやしなひの為 歴山といへるところに田を耕しおこたらず努給ふゆゑ その孝行の志を
禽獣までも感心なし象来て舜のために苗の害になる草をくさぎりすてたり
これみな孝の誠を天道感動給ふなり
此時の天子を尭帝と申けり 舜の孝行しごくせるをきき給ひ
朝廷にめさせられ天子の御子九人までありしを臣下(けらい)とさだめ
蛾皇・女英と云二人の姫君をもつて后妃にそなへて遂に天下を舜にゆづり給ふ
是孝道の天にかなへる所 聖徳の天におよぶゆゑんなり
陰徳あれば陽報ありと云は是なり
孔子も天地の性、人を貴(たっと)しとす 人のおこなひ孝より大いなるは
なしとのたまへり

※有虞氏(ゆうぐし)とは舜 (しゅん) のこと。

※ひすかし

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※象来て舜のために苗の害になる草をくさぎりすてたり

なぜか象が草むしりしたことになってます。鳥がいっぱい来て草をついばんでるのに。15羽以上いますよね。

 

詩曰
隊々耕春象 紛々耘草禽
嗣尭登宝位 孝感動天心

〇前の本文に「嚚(ひすかし)」とあるは心徳義のをしえをまもらざるを頑と
いひ 口に忠信の言をもいはざるを「ひすかし」と云と
左傳といへる書にみへたり 「頑嚚」を代(か)し常に帰(き)せ

〇爰に象(ぞう)来りて耕作を助けしといふは弟の象(しょう)なり
兄の徳行篤きにひきかへ其身の悪事を恥じて助力せしを獣の象(ぞう)
と誤りしは過不及の美称なるべし

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構図が似ている高虫氷川神社の大舜。舜が腰を下ろして右手を上げ、象が大舜を見ています。

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崩し字勉強中です。間違いやお気づきの点があったら教えて下さいね。