二十四孝に会いに行く!

中国の親孝行な人たち・二十四孝に関するものを紹介していきます。

書籍/二十四孝諺解・22 田真・田廣・田慶

田真兄弟は相続の際にトラブル発生。三等分して伐って分けようとした木が枯れだしました。

ARC古典籍ポータルデータベースより

田真 田廣 田慶

此三人は兄弟なり 父死て後財宝を三つにわけてとりけり。しけい樹とて木あり。
それをも。三つにわけて。とらんといふ。其夜かれたり。草木心なしといへとも
かかるためし。ふしぎ成事也

海底紫珊瑚 群芳総不如
春風花満樹 兄弟復同居 

海底紫さんごとは。しけい樹の木をほめていふ也 海底は。うみのそこと。
よむ字也。紫さんごとは。むらさきの。さんごじゆ也。うみのそこにある
さんごじゆのごとく。うつくしく花さき実なる木也。

 群芳すべてしかずとは。くんほうは兄弟の事を。よそへていへり。
しかずとは。此木をきらんといふをききて。夜のまにかれたるを思へは
兄弟わかれて親の跡をわかたんとおもふ事は此木にはおとりたりと。
思ひしりたることをいふなり

春風花ゑだにみつとは兄弟此木のかれたるを。かんじ。きるましきといへは。
またもとのごとく。花さき。春風にゑだたをやかにしてみちみちたると也

兄弟復居を同じうすとは。此木のありさまをみて兄弟の者ども。わかちとりたる
財宝をもちより一所に住ける也 兄弟はもと一本なる事此木のゑだおおけれど。
本一本なるがごとし。それを。わかれて。住は此木をきらんとおもふかごとしと。
三人一緒に住て親の名まであけたる事是孝行也 誠に草木まで。わかちとらは
親の名まで。くたさんに。かへつて。名を世上にあげたる事先祖へまでの大孝心也
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木が悲しんだから伐るのをやめた。それで良さそうなものなのに、なぜかこの三人は分割して相続した遺産をまた持ち寄ってまとめて、兄弟で同居し始めます。

家屋敷に現金まで共有財産にした、ということでしょうかね。この兄弟たちの子世代になると相続で大騒動が起きそうですね。