二十四孝に会いに行く!

中国の親孝行な人たち・二十四孝に関するものを紹介していきます。

書籍/廿四孝(渓斎英泉)・26 田真田廣田慶 (完)

田真・田廣・田慶の三兄弟。遺産相続の際、庭木も三等分しようとしたら木が悲しんだようなので伐るのをやめました。

これのどこが親孝行なのか、という疑問が湧きますね。本文を読むと「このお利口さんな木を伐って分けたら亡くなった親の名前を下げてしまうところだった!伐らなくてよかった!」という部分が親孝行らしいです。こじつけではなかろうか。人の家の木の処分に興味はないわよねー。でも「大木を取り囲む三人の男性」は絵になるから社寺彫刻にも取り上げられるんでしょうね。親孝行の話というより、植物にも心があるのだからむやみに伐採するな、という方向で解釈する人が多そう。

画像は早稲田大学図書館古典籍総合データベースより 

田真田廣田慶
此三人兄弟なり 親におくれてのち家の財ほうを三つにわかちとれり
にはに紫荊樹とてえだはさかへ さんごじゅに似たる木あり
此木一本を三つにわけてとらんと云 しからばあす伐てわかたんと
やくそくせし その夜にはかに紫荊樹かれたりければ
三人はこれを見て草木心なしといへどもきりとらんと云をききて
枯たるは人として理(ことわ)りをわきまへざるなりとて
きらずしておきければふたたびもとのごとくえだはさかへたりとなり
三人の兄弟はもし此木をきりてわかちなばなきおやの名までも
くだすべかりしを よきことせしといひあへりしとぞ
詩曰
海底紫珊瑚 群芳總不如
春風花満樹 兄弟復同居 

ーーー 廿四孝(渓斎英泉)終 ーーー