二十四孝に会いに行く!

中国の親孝行な人たち・二十四孝に関するものを紹介していきます。

書籍/二十四孝教近道(北尾重政二世1832)・6 曽参

母の身に何かあったのではと、薪を背負って山から飛んで帰ってきた曽参。

国立国会図書館デジタルコレクションより

母指纔方噛 児心痛不禁
負薪帰来晩 骨肉至情深

曽参

曽参あるとき 山へ薪を取にゆきはべり 
母るすにゐたりけるに したしき友来れり
これにもてなしたく思へども 曽参はうちにあらず
もとより家貧しければかなはず 曽参がかへれかしとて
みづから指をかめり
曽参山に薪をひろひゐたるが 
にはかに むなさはぎしけるほどに いそぎいへにかへりたれば
母ありすがたをつぶさにかたりはべり
かくのごとく ゆびをかみたるが とほくへこたへたるは 
一段の孝行にして 親子のなさけふかきしるしなり
そうじて曽参の事は 人にかはりて心と心との上のことをいへり
おくふかきことはりあるべし

ーーー

母指纔方噛 児心痛不禁 負薪帰晩 骨肉至情深

挿絵上部に書かれている詩の中の「帰来晩」の部分ですが、本によっては「帰未晩」になってるものもあります。

帰未晩(かへること いまだ おそからず等)
帰来晩(きらい おそし、かえりきたること おそし等)

この「二十四孝教近道」では「帰来晩(きらい おそし)」になってます。「帰未晩(かえること いまだ おそからず)」とは意味が逆のような気が。

中国の二十四孝書籍を見ると「帰未晩」になっているので、「未」が正しそうです。

↓ 「和漢廿四孝(柳下亭種員)」では「帰未晩」ですね。

「未」と「来」の2パターンがあったということに今日気が付いたという(笑)。今までの曽参の書籍を見直したら「未」と「来」に関して画像とテキストが合ってなかったのがいくつかあったのでわかったのは修正しました。ほかにもいろいろありそう~。