和漢廿四孝(柳下亭種員撰・重宣画)の前半は日本の二十四孝。後半は中国の二十四孝です。下の挿絵、右端のタイトルは「漢土二十四孝」ですね。
畑を耕す大舜のそばに象が二頭に小鳥が二羽。一羽は草むしり、もう一羽は空を飛んで、むしった草をどこかに捨てに行く様子。大舜はトレードマークの鍬で耕作中。
『和漢廿四孝』(東北大学附属図書館所蔵)
出典: 国書データベース,https://doi.org/10.20730/100445689
大舜(たいしゅん)
舜は瞽䏂(こそう)とていやしき盲の子なりしが
父母ともに心だてよからず
弟の象(しょう)をのみ愛(あいし)て
兄の舜をにくみ あいれんを加(くはへ)ざれども
舜は聊(いささか)もこれを恨(うらみ)ず
孝をつくしておこたらず 斯(かく)て
又 父母のために歴山に田をたがへし給へば
禽獣だにも その孝を感じて象来つて田をすきかへし
鳥来つて草を芸(くさき)りすて以て舜の労を助く
時の天子尭帝これを聞しめし 朝廷に召て
御子九人までありしを臣下と定め二人の姫君をもつて
后妃にそなへ つひに天下を舜にゆつり給ふ
これまことに至孝のなすところなり
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