二十四孝に会いに行く!

中国の親孝行な人たち・二十四孝に関するものを紹介していきます。

漢土二十四孝伝・23 姜詩(きょうし)

姜詩後漢の世、廣漢の人なり。父を失ひて一人のに仕へ考道至極せり。妻のホウ氏(ほうし)も姑に仕ふるにまめやかなり。その母常に三十町ほど離れたる江湖の水を好めり。妻ホウ氏常に行きてその水を汲み来たる。また母魚なますを好めり。夫婦常に整へて母に勧めて喜ばしむ。
かかる孝行の徳、天に通じけん、姜詩が家の傍らに江湖の水涌き出、自ずからとなり朝ごとにありて労せずして心のままに孝行を尽くせしとなり。夫婦がまことの心を天道感じたまふて下したまふものならん。また珍しき美談ならずや。世の人これを鑑みて親しゅうとに仕ふる身は姜詩夫婦が十分の一を守りなば幸ひありて災ひなし。孝行はならずとも不孝をせざる心がけ肝要ならん。
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【あらすじ】
姜詩の母が好きなものは家から遠い湖の水と魚のなます。姜詩の妻がいつも遠くまで水を汲みに行きました。また母は魚のなますが好きなのでいつも用意して母に勧めました。ある日、夫婦の孝心が天に届いたのか、家のすぐ近くに水が湧き、鯉が泳いでいました。夫婦は水も魚も苦労せずに手に入れられるようになりました。

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この本の文章では省略されていますが、他の書籍等を読むと、「いつも6〜7里隔てた江まで妻が水を汲みに行っているが、ある日大雨や大風に会って、水を持ち帰れなかった。そこで怒った姜詩は妻を追い出した。でも優しい妻は少しも怒らず密かに姑に食べ物を差し入れた。姜詩は感動して妻を呼び戻した」。というエピソードがあるようです。「姜詩出婦」というのはこのことを言ってるのではないかと思います。
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モチーフ。
1.姜詩
2.妻のホウ氏
3.母
4.泉
5.鯉
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