2018-07-11 修身二十四孝・3 曽參 曽參(そうしん) 書籍/修身二十四孝(1843) 曽參 噛指痛心 「指噛めば心(むね)を痛む」曽子は孔子の弟子にして大孝行の人なり ゆへに孔子この人に孝経を授けたまふとぞ あるとき曽參 山へ薪を採りに行きたりしあとへ 母の親しき人来たりければ 母もてなしを せんと思へども 心に任せず 曽參は 早く帰れかしと 思ひて 自ら指を嚙みけるが 山のなかにをりし曽子は胸を痛みけるに (お)たふた急ぎたちか(へ)るに 客はすでに 帰れり 曽子そのゆへを語りけるに 孝子親を忘れざるの誠なりと感じたまひけり 実にたぐひまれなる孝子とぞ云ふべし