閔損 単衣順母 「単衣(たんい) 母を順(じゅん)にす」
閔損 字は子騫(しけん) 孔子の弟子 十哲の一人にて孝行なる人なり いとけなくして 母におくれ 父のちぞひを娶りて 二人の児(こ)を産む 母その子を愛して 閔損を憎むといへども かつて恨みず 孝敬を尽くしける あるとき 父とともにいづることあり 父その寒にたえがたきさまを見て その衣(きぬ)を 着れば 蘆(あし)の穂を 綿に入れたるなれば 大に怒りて のちぞへを去らんとす ときに閔損 父にむかひいへるやう なにとぞ 継母のあしきことは われより謝すべし おんゆるしのほど 願はんず と父に諫めたまふとぞ
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寒空で薄着の閔損、継母の仕打ちに気付いた父親。部屋の中には「あちゃー、ばれちゃった」と嘆いている継母。「まいったなー」という手つきの幼児。髪型が変。