漢文帝 親嘗湯藥 「みづから湯薬を嘗(な)む」
漢の高祖の中子にましまして 天子の位につきたまひ おんはは薄大夫人に孝行をつくしたまふ おんはは病にふしたまふときは 昼夜衣冠を解きたまはず 朝夕の食を始め 薬にいたるまで 自ら嘗めて 試みて おんははにすすめたまふ 天子の たうとき 御身にて かくせさせたまふこと いと有難き御孝心なるべし
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ちょっと手先がわかりにくいですが、きちんとした服装の漢文帝が両手で器を持って病床の母親のもとへ運ぶシーンです。「二十四孝」での漢文帝の挿絵はたいていこのシーンのようですね。「親嘗湯藥」の「親」の字は「自分で直接に」という意味があるそうです。