二十四孝に会いに行く!

中国の親孝行な人たち・二十四孝に関するものを紹介していきます。

二十四孝・23 剡子

残り二人になりました。23番目は剡子。

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剡子せんし
剡子は親のために命を捨てんとしけるほどの孝行なる人なり。そのゆへは父母老ひて ともに両眼をわづらひしほどに 目の薬なるとて 鹿の乳をのぞめり。剡子もとより孝なるものなれば 親の望みを叶へたく思ひ すなはち 鹿の皮を着て あまた群がりたる鹿の中へまぎれいり侍れば 猟人是を見て まことの鹿ぞと 心得て弓にて射んとしけり。その時 剡子「是は まことの鹿にはあらず 剡と云ふ者なるが 親の望みをかなへたく思ひ いつわりて 鹿の形となれる」と 声をあげて 云ひければ かりうど 驚いて その故をとへば ありすがたを語る。されば孝行のこころざし深き故に 矢を逃れて帰りたり。そもそも人として 鹿の乳を求むればとて いかでか 得さすべきなれ共 思ひ入たる 孝行を思ひやられて あはれなり。

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鹿の毛皮をすっぽりかぶっている図が多いですが、この絵の剡子は生きた鹿を背負っているみたい。こんな格好で近づいて鹿の乳を採取できるとはね。