二十四孝に会いに行く!

中国の親孝行な人たち・二十四孝に関するものを紹介していきます。

書籍/廿四孝(渓斎英泉)・18 剡子

二人が揉めている間に本物の鹿はそそくさと逃げていきます。

画像は早稲田大学図書館古典籍総合データベースより 

剡子(ゑんし)
周の剡子は伽夷国の人なり そのむまれ至孝の心ふかく
父母年よりて よはひかたむき両眼をわづらひ鹿の乳を
くすりにもとめんことをねがひける
ゑん子 孝のあつきものゆへ くふうして鹿のかはを身にまとひ
山にいたり しかのおほき所にゆきてもとめんとす
猟人これをみてゆみに矢をつがへすでに射んとす
剡子おどろき われはまことの鹿にあらず
としおいたるちちはは眼のやまひにしかのちちをもとめ
薬にせんと かくのごとくすがたを しかにいでたち
ちちをとりにきたれるものなりと云ければ
かりうどもまことのしかにあらさるをしりて その孝心を
かんじける
かかるふしぎの矢じりをのがれて しかのちちをもとめおやに
あたへけるも天道そのこころのあつきをかんじ給へるなり
詩曰
親老思鹿乳 身掛褐毛衣
若不高聲語 山中帯箭帰

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