昨日に続き、郭巨の「黄金一釜」について。下の絵は今回の中国古代二十四孝全図の郭巨の挿絵から。妙な物体が二つ並んでますね。
画像は早稲田大学図書館古典籍総合データベースより
↓さてこちらは手持ちの中国の本「二十四孝図絵本三種」より。
郭巨が掘った穴の拡大図。これも釜ではなく、中国古代二十四孝全図の物体となんとなく似ているものが穴の中にゴロゴロ。
これは金元宝と呼ばれる中国の昔の金貨。郭巨はどうやらこれを掘り出したようですね。
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そのほか二十四孝を紹介する中国系You tubeをいくつか見て、郭巨が掘り出したものを確認してみました。
素焼きの壺に入っていたり、土の中に直接埋まっていたりしたのは金元宝やコイン、延べ棒。日本の彫刻や書籍でお馴染みの「黄金の釜(かま)」は出てきませんでした。
こちらは海外のイラストフリー素材から。
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おくるみの中の赤ちゃん(三歳児には見えない)を脇に寝かせ、郭巨が掘り出したのは延べ棒タイプの金ですね。
ということで、「郭巨と言えば輝く釜」だと思っていましたが、中国ではそうでもなかったようで。
壺の中や、土の中に金元宝や延べ棒、というのが定番みたいです。
「黄金一釜」とは黄金の容量が一釜(ふ・約12リットル)ということですね。参考:岡田玉山の郭巨の記事
一方、「中国学用単位系の換算」というサイトで「一釜」を換算してみたところ、20.58リットルと換算されました。
両方の換算によると一釜を2Lのペットボトルに詰めたら6本から10本程度でしょうか。(金元宝を入れたらかなり空間はできそうですが)
1本ほしい。
でもやっぱり郭巨には釜が良く似合う。 (椎尾山薬王院本堂)