わが子よりも母親が大事。郭巨。
画像は「ARC古典籍ポータルデータベース」より
郭巨 為母埋児
後漢の郭巨。字は文挙。家貧ければ。老母を養ふに。其食の不足ならん事を悲めり。一子あり。已に三歳。老母これを愛し。我食の中を分ちあたふ。郭巨いよいよ母の食の乏しからんを察して。妻に語ていへるには。我身かく貧して。母に供する事。心のままならざるに。母の孫を愛して。分ちあたへ給へり。我つくづくおもふに。夫婦の縁尽ずば。子は又もあるべし。母は再び得べからず。ただ我子をひそかに殺して。母を養ひ奉らんと。おもうはいかにといふに。さすが孝子の妻なれば。涙ながら。其言に従へり。さらば一思ひに埋殺さんとて。坑を掘る事二三尺にして。黄金一釜(いっぷ)釜(ふ)は金(きん)の両数にて。かまの事にあらず を得たり。上に文字あり。曰。天賜孝子郭巨と。此より家富名顕れて。孝道を尽し。慈愛を全くせり
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「釜(ふ)は金(きん)の両数にて。かまの事にあらず」。たしかに釜の絵は描かれていませんね。(書籍/廿四孝 渓斎英泉・4郭巨 もご覧ください)
ということで、玉山の挿絵を相当参考にしていると思われる成田山釈迦堂ですから、もちろん郭巨に釜は描かれて・・・ますね。思いっきり。
釜がめっちゃ輝いてます。絵としては、釜が発光している図は印象に残りますわね。
「釜は量を表す単位」と、漢字辞書にも出てました。
難読・釜渡戸(かまのはた)は山形県南陽市の地名なんですねー。
(追記)「黄金一釜」の解釈は容量の釜(ふ)なのか、容器の釜(かま)なのか、諸説あるようで。また改めて記事にしたいと思っています。