董永。これは左右ほぼ一緒ですね。どちらも鍬が描き添えられてます。右側は雲の表現が細かいです。
国立国会図書館デジタルコレクションより
董永
董永 賣身葬父
董永は後漢の人なり 早く母を失ひ父に使に孝心也父死し葬べき便なり日比雇るる主人の元に至り銭十〆文を借て長く其家の下僕たらんことを銭(を?)得て父を葬り其家に至とする時道にて美(うるわ)しき女に逢ひ強て永ら妻と成り一ヶ月の間に三百匹のきぬをおり其負目を償ひて我は天帝の織女なり天帝君が孝を感じ我をして負目を償し玉と言て雲に乗て去にける
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↑ 相変わらず意味の分からない部分が散見します。
「(美しき女に)逢ひ強て永ら妻と成り」ってなんなんでしょう。読み仮名を見ると「まよいちとめてながら妻となり」。わけわかりません。「美しき女に逢(あ)い、(その美女が)強(し)いて永(董永のこと)が妻となり」とあるべきだと思われます。字体は読みやすくて好きなんだけどなあ。
修身二十四孝の董永が頼りです。
(修身二十四孝)
董永は後漢の人なり 早く母を失ひ 父に仕へて孝心なり 父死してをさむべきたよりなく 日頃雇はるる主人のもとにいたり 銭十貫文を借りて 長く その家の僕たらんと約し 銭を得て 父を をさむ かくてその家へ いたらんとす(も)とき道にて うるはしき女にあひ しゐて 永が妻となり 主人の家にいたり 一月の間三百匹のきぬを織りて その負ひ目をつぐのい 我は天帝の織女なり 天帝 君が孝を感じ 我をして 負ひ目つぐのはしむ と言いて雲に乗りて去りにけり