二十四孝に会いに行く!

中国の親孝行な人たち・二十四孝に関するものを紹介していきます。

書籍/二十四孝諺解・10 楊香

父を守るため虎に立ち向かう楊香。

ARC古典籍ポータルデータベースより

楊香

魯国の人也。十五のとし父と山中に行て飢たる虎にあひけり。
しかれども孝行の心ふかきによりておや子。ともに難をのがれし人也
深山逢白額 努力搏腥風
父子倶無恙 脱身飢口中
深山に白額にあふとは。はくがくは。しろきひたいといふ文字也
虎の事をいふ也 深山にてとらにゆきあふといふ事也

努力(とりき)して腥風をうつとは。とりきは。いかりたる事也。
せい風とは。とらの事也 楊香。いかりて。とらをおふていをかくいふ也

父子ともに。つつかなしとは楊香が孝行天につうじて。とらがおそれたるゆへ。
つつかなく。ありしといふ心也。人の身にかなしみなく。ゆたかなる事を。
つつかなしといふ也

脱身きこうのうちとは。飢口は。うへたる口といふ文字也。うへにおよひたる
虎が人を。とらんとせしに身を。のがれたるといふ心也。すでにおやこながら
虎の口の中に。いりたるやう也。あやうき所也 是をのがれたるは楊香孝行にして
虎に我身をあたへ父をたすけたまへと。天道に。きせいして。手をひろげ
虎にむかへは。いままで。たけくいかれる虎尾を。さげて。にげける也。
是楊香が。すがたの虎の目に。おそろしく。みゆるは天孝の心を。
かんじてはからひ給ふゆへ也

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虎が逃げ出したのは天の助けにより、虎の目には楊香が恐ろしい姿に見えたから、だそうです。

お父さんは我関せず。

 

京都市御香宮神社の楊香。