二十四孝に会いに行く!

中国の親孝行な人たち・二十四孝に関するものを紹介していきます。

初頴日記故事・8 江革





後漢の代に江革 字は次翁といへり 若くて父をうしなひ ひとり母とともに 住居たるが 世の中乱れければ 母を背に負ひて 難を逃がるるに たびたび賊にあひたり その中に江革をおどし賊の手下となし つれゆかんといひしを 革 賊に向かひ 老母おはす事を告げ 泣ひて わびしければ心なきぬす人も孝を感じ 犯しうばふ事をせず それより転じて 所をかへ といへる所に身をとめておりけるが 貧にせまり裸跣(らせん)とあかはだかにて 足は素足にて 歩きしとなり されど 所々にて雇人となりて 母に食をそなふ かく貧しけれど 母の身のまはりのもの不自由ならぬやうにせしとなり
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母を背に負ひて難を逃れて逃ぐる道にて 賊来りてうばはんとする事しきりなりしが 泣きわびて母子ともに難を逃れ傭力と人にやとはれ働きて母をやしなひしとなり 時の人 江巨孝とほめたり 後に諫議大夫の官となりしとぞ