17人目は庾黔婁でございます。
庾黔婁ゆきんろう (「ゆさんろう」と書かれているように見えますが気にせず「ゆきんろう」と読んでいきます。だってほかの本はみんな「ゆきんろう」だもん)
庾黔婁は南斉の時の人なり。「せんりやう」といふ所の官人なり。すなはち「せんりやう県」へ至りけるが いまだ十日にもならざるに たちまちに 胸騒ぎしけるほどに 父の病み給ふかと思ひ 官を捨てて帰りければ 案のごとく 大きに病めり。黔婁は医師によしあしを 問いければ 医師 「病者の 糞を甞めて見るに甘く 苦からば よかるべし」と語りければ 黔婁やすき事なりとて 嘗めてみれば 味わひ よからざりけるほどに 死せん事を悲しみ 北斗の星に祈りをかけて 身代はりに 立たんことを いのりたるとなり。
甘く 苦からば よかるべし・・・意味不明。他の書籍では「苦ければ良くなり、甘ければ悪くなる」と記されています。
星に向かって祈る庾黔婁。崖の上にいるんでしょうか。古代から人は星を見るとお願いしたくなるんでしょうね。