二十四孝に会いに行く!

中国の親孝行な人たち・二十四孝に関するものを紹介していきます。

書籍/廿四孝(渓斎英泉)・7 曽参

7人目は曽参。見開きではなく片側一ページだったので翻刻がちょっと楽。薪を束ねて、帰り支度をしていたところでしょうか。胸騒ぎがして家を見たらおりしも来客あり、という場面ですね。

母親と来客。簡単な線でもよくわかる。

画像は早稲田大学図書館古典籍総合データベースより 

曽参

周の曽参 字は子輿といへり 曽子母につかへて至極の孝行なり
魯国の南 武城の人なり
孔子の高弟子にて つねに孝志あつきゆへに 孔子も道流の伝をつがしめ
孝経をときしめし給ふに あるとき曽参山へたき木を取にゆきける
母いへにあり したしき客きたれども もとよりまづしければ もてなすべき
こともならず 曽参はやくかへりきたれかしとて 母ゆびをかみければ
そのいたみ曽参に通じて にはかに胸いたみければ いそぎたき木をとりて
いへにかへりければ母そのゆゑをかたりける まことに母子は骨肉
一たい(一体)といへども その気の通することかくのごとき孝子にあらざれば
なんぞ此ことあるべき至孝の心ふかきことわり 然もあるべきなり

詩曰
母指纔方噛 児心痛不禁
負薪帰未晩 骨肉至情深

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