仲由。お米を背負っているか、ご馳走を前にして泣いているか、どちらかのことが多い人ですね。岡田玉山の絵は泣いているほう。
画像は「ARC古典籍ポータルデータベース」より
仲由 為親負米
仲由字は子路。洒水の人。其性勇をこのむ。孔門十哲の一人也。家貧しうして。常に藜(アカザの実)藿(まめのは)を食とし。人にやとはれ。百里の遠きより。米を負ひはこび。身を苦しめ。其賃をとりて。両親を養ひけり。父母没して後。楚国につかへ。大功を立て。富貴の身となり。常に鼎をつらねて食し。粟を積蓄ふ事万石に及び。出るに百輌の車をしたがへ。居るに錦の茵(しとね)を重ね。栄耀こころにかなはざる事なし。しかれどもこれをよろこびとせず。猶昔のごとく。藜藿を味はひ。わづかの賃銭に身を労しつつ。父母につかへ奉りたく思へとも。是のみ心にかなはずと。常に涙を流してなげかれけり。孔子これを聞召て。生るにつかふるに力を尽し。死せるにつかへて思を尽すもの也と。称美し給ひけり
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昔を懐かしんで涙ぐむ仲由。閔損とともに、孔門十哲の一人。
こちらは成田山釈迦堂の仲由。
食事を運んでくる女性もしっかり彫られています。
貧しかったけれど、父さんや母さんと暮らしていたころが懐かしいなあ。しくしく。
挿絵を忠実に再現しているのがわかります。仲由の前に置いてあるのはレンゲですね。
レンゲがないから食べられない。しくしく。