二十四孝に会いに行く!

中国の親孝行な人たち・二十四孝に関するものを紹介していきます。

書籍/絵本二十四孝(岡田玉山)・4 閔損

大舜ほどではないにしろ、親からひどい仕打ちを受けていた一人、閔損。

画像は「ARC古典籍ポータルデータベース」より

閔損 単衣順母

閔損字は子騫(しけん)は。孔子の御弟子。十哲の一人にて。孝なる哉。と。孔子のほめさせ給へる人なり。幼して母におくれたり。後母二人の子ありて己が子を愛し。閔損を悪(にくみ)て。冬の裘には芦の穂を綿として着せけれども。いささかも恨とせず専ら孝敬を尽されける。或日父他へ行に。閔損に御とて。車のわきに(傍そひ?)て。馬を御(つかふ)事を命(いひつけ)しに。肌寒てつとむる事あたはざりしより。其衣の薄く。芦の穂を綿としたるを見て。大に怒り。継母を去んといふに。閔損父をいさめて言けるは。母いませば。我一人寒くて二子は温に。母もしいまさざれは。二子を養育するものなくて。三子ともに寒からんと。とどめければ。父も其理りを聞入れ。母も愧悔て。三子をひとしく慈愛しけるとなり。是至孝の人を感ぜしむる所なり

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「閔損」の絵や彫刻では子ども二人を連れて出ていく継母が多いですが。この閔損の父は継母に対し「子どもは置いていけ」と言ったんでしょうか。でも幼い子二人の世話は閔損に押し付けるつもりじゃないかしらね。

 

成田山釈迦堂の閔損。登場人物がほぼ同じ配置ですね。

 

閔損に冷たかった後妻に怒る父親と、なだめる閔損。

 

置いて行かれる幼児たちのポーズも右の子は涙を拭き、左の子は両手を伸ばしていて岡田玉山の絵と一緒です。