年老いた両親の前で老莱子が踊っています。楊香や王祥のように身体を張ってはいない、まあ踊っているだけの親孝行。
画像は「ARC古典籍ポータルデータベース」より
老莱子 戯綵娯親
老莱子は。周の代。楚国の人なり。少き時より。孝行を尽して。父母をやしなひ。甘脆とて。味ひうまくて。老て歯なきにも。こころよく食せらるるものをえらみ供へたり。其身已に七十に至れども。父母猶存命なりしかば。我老衰を父母の前にて。あらはしては。御身の老をかへり見て。はかなう思ひ給らん事をおそれて。つねに綵たる小児の衣る物を着て。をさな遊びの戯れを。親の前にて。ふるまひ。口に老たる物語をせずして。娯しましめけり。或時食をすすむるとて。わざと跌きたふれて。小児の啼真似をなすなど。とかくして父母の心をなぐさめける。その志の篤きをおもふべし。後楚国乱れければ。蒙山の南に耕作し。老莱子といふ書を著して。志を述べ。其終る所をしらず
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前橋市産泰神社の老莱子。両親は縁側に座布団敷いて正座しながら息子の踊りを見ています。老莱子は庭で踊ってるんでしょうか、人目もはばからず。いや親孝行をアピールしているのか。