明日からは鳥居清経の「繪本廿四孝 全」をご紹介していきます。右側が表紙、左側が奥付です。鳥居清経さんは有名な浮世絵師さんですね。
ARC古典籍ポータルデータベースより
最初のページは序文のようです。(朱印で「このぬし麓雷」。なんのこと?)
ARC古典籍ポータルデータベースより
初陽毎朝来(はつはるの あしたごとには来たれども) それはわが朝(ちょう)の三十一字 これはもろこし廿四孝の人々を絵本にうつし 倭かなをもつて やわらげて子供様方も見やすからんがため または御孝行のたねにもなれかしと 絵本廿四孝として春のおなくさみにと御めにかけまいらせ候 めでたくかしく
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「初陽毎朝来」の歌について調べたところ謡の「白楽天」や「曽我物語」などで引用されているとのこと。早速蔵書を引っ張り出してみました。
「初春の あした毎には 来れども 逢はでぞ帰る もとのすみかに」
曽我物語 第5巻「鶯・蛙の歌の事」より
その昔、高間寺というお寺の小僧さんが早世し、嘆き悲しんでいた僧侶。翌年の春、お寺の庭の梅に鶯が飛んできて、この歌を歌ったという。(奈良県御所市高天彦神社の鶯宿梅)
同じ第5巻には許由と巣父のお話や、呉越のお話も引用されてました。「曽我物語」は昔一度読んだだけなので、今読み直したらきっとさらに面白く読めそうな気がします。
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さて鳥居清経さんの「繪本廿四孝(1774)」ですが、昨日の老莱子のような「これは誰でしょう」形式で進めていこうと思います。結構難しいと思います。