二十四孝に会いに行く!

中国の親孝行な人たち・二十四孝に関するものを紹介していきます。

書籍/繪本廿四孝 (鳥居清経画1774)・21 これは誰でしょう

21番目の孝子は兄弟です。

剣を持った悪そうな人物の前で跪く二人。奥の青年は「僕のほうが太っているから僕を食べて」とアピールしています。でもスマートなので説得力に欠けている感じ(笑)。

お互いを思いやる兄弟愛にあふれた二人の名前は・・・。

ARC古典籍ポータルデータベースより

張孝・張礼の兄弟ですね。

張孝張礼

兄弟なり ききんの時八十あまりの母をやしなへり ある時盗人張礼をころさんとす 我八十の母をやしなふ 食をあたへてころされん 又ここに来る 盗人孝行をかんじ 米二石塩一駄あたへけるとなり

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絵だけパッと見ると、兄弟仲がいいというだけで親孝行関係ないんじゃ、と思ってしまいますね。

兄弟のどちらか一方が山で盗賊に襲われたときに「母に食事を与えてから戻ってくるので、それから殺してくれ」と言い残して家に戻り、母の食事を済ませた後に再び山へ戻りました。そこへ兄弟のもう一方が追いかけてきて、「食べるなら俺の方が太ってるから俺を食ってくれ」と盗賊を説得したら、盗賊が感激して逆に食物をくれた、という話です。走れメロスの王様のように、この盗賊が改心したということはなさそうです。