二十四孝に会いに行く!

中国の親孝行な人たち・二十四孝に関するものを紹介していきます。

初頴日記故事・15 朱壽昌






宋は国の名 朱は姓 壽昌は名 うみの母劉氏は父の妾なり 本妻に妬まれ 朱家を出て外に嫁したり 壽昌七歳の時母にわかれてより 五十年母にあはず 神宗といへるは 帝の諡(をくりな)なり この時官位を捨てて秦の国に行き 母をたつねんとするに 在ものとちかつていへるは 我母にめぐりあはずは ふたたび帰るまじとて 出行けるが 秦の国の内にいたりて うみの母劉氏にあひたり 此時母七十餘にてありしとなり 次とは至るといふに同じ
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詩の意は壽昌七歳にて母にわかれたり 参商は星の名 この二星は遠くにわかれてあり 壽昌と母と此二星のごとく わかれてありしとなり しかるに 一朝面を見 母子めぐりあひたるよろこびは まことに天をも感動するばかりなりと 一たび官を捨てたるものは ふたたび官人となる事はなりかたけれど 孝心の故を帝感じたまひ 二度めされてつかへたりしとなり
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参商の参はオリオン座、商はさそり座のことだそうです。日本ではオリオン座は冬の星座、さそり座は夏の星座。同じ季節の空に昇ることはないこの二つの星座のように、遠く離れていることを「参商の隔て」と言うそうです。

物理的な距離だけでなく、精神的な距離に対しても言うそうで、仲たがいしている二人にも使えるとのこと。近くにいても心は北半球と南半球ってことですね。