二十四孝に会いに行く!

中国の親孝行な人たち・二十四孝に関するものを紹介していきます。

書籍/二十四孝図会(葛飾戴斗)・19 庾黔婁

東尋坊みたいな崖の上で星に祈る庾黔婁。

f:id:shousin:20220223063606j:plain

1819年 葛飾戴斗 二十四孝図会 The British Museum所蔵

庾黔婁

到縣未旬日 椿庭構疾深
願将身代死 北望啓憂心

庾黔婁は南齊の時の人なりきわめて心ざし直清なりしかば、
扇陵懸といふ所の官人となれり、則ち扇陵懸へいたり
未十日にもならざる内俄に胸さはぎしける程に、父の
やみ給ふかとあんじ官を辞してかへりける、はたして父病に
ふしたりしかばおどろきつつ医をまねき其病体を見せ善悪を
尋し所病人の大便をなめて甘く苦ければ病いゆべしといふ、
やすきことなりとて父の大便をなむるに甘く苦からざれば
大におどろき、医師の言葉に相違すれば、その死につかん
ことをなげきかなしみ斎戒して香をたき北斗星をまつり
ちちの命をたすけ、わがいのちをとりてかはらせたまへと
いのりけるほどのこうしんふかきものなりける

ーーー

「甘く苦ければ病いゆべし」という部分が意味がわかりません。「甘ければ病は重く、苦ければ病は快復する」という意味の表現になるべきところですね。唐土二十四孝伝では「苦きは良く、甘きは病癒ゆべからずと云ふ」と書かれています。これなら意味が通りますね。「甘く苦ければ病いゆべし」の「甘く」を取って「苦ければ病いゆべし」だけのほうがスッキリします。