母と子の強い絆のお話。曽参。
国立国会図書館デジタルコレクションより
曽参
母指纔方噛 児心痛不禁
負薪帰来晩 骨肉至情深
曽参ある時山中へ薪を取に行はんべり。母留主にゐたりけるに。
したしき友来れり。
これをもてなしたくおもへども。そうしんはうちにあらず。
もとより家まど(貧)しければかなはず。曽参がかへれかしとて。
みづから指をかめり。曽参山に薪をひろひゐたるが。
にはかにむなさはぎしけるほどに。いそぎいゑにかへりたれば。
ははありすがたをつぶさにかたり侍り。かくのごとくゆびをかみ
たるが。とをきにこたへたるは一たん(一段)かうかうにして。
親子のなさけふかきしるしなり。そうじて曽参のことは。人に
かはりてこころとこころとのうへのことをいへり。
おくふかきことはりあるべし
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急な来客に狼狽える母。曽参早く帰ってきておくれ、という母の祈りが息子に通じ、曽参は飛んで帰ってきました。さて客はどうなったのか気になります。
輪王寺 糸割符燈篭の曽参。左右反転してますがよく似てますね。