かいがいしく母親の世話をする黄山谷。
国立国会図書館デジタルコレクションより
山谷
貴顕聞天下 平生孝事親
汲泉涓溺器 婢妾豈無人
山谷は。宋の世の詩人なり。今に至りて。詩人の。祖師といはるる人なり。あまた使ふ人も多く。また妻もありといへども。自ら。母の大小便の器物を取り扱ひて。けがれたる時は。手づから是を洗ひて。母に与(へ)。朝夕に。よく仕へて。怠ることなし。されば一をもって。万を知るなれば。そのほかの孝行をしはかられたるとて。この人の孝義。天下にあらはれたるとなり。この山谷のことは。世人にかはりて名の高き人なり
ーーー