嫌な予感がするので薪を担いで山を駆け降りる曽参。母の身に何か!?
・・・母の身は問題ありませんでした。アポなしのお客さんが来てました。
『和漢廿四孝』(東北大学附属図書館所蔵) 出典: 国書データベース,https://doi.org/10.20730/100445689
曽参(そうしん)
曽参は周の世 孔子の高弟子にて つねに孝志あつきゆゑ
孔子も道統の伝をつがしめ 孝経をときしめし給ふ
ある時曽参山へ たき木を取にゆきけるるすに
したしき人きたりしかど
元より貧しけれはもてなすこともならず
曽参はやく かへれかしとて
母ゆびをかみければ
そのいたみ曽参に通じて にはかに胸いたむゆゑ
いそぎ たき木をになひ かへりければ
母そのゆゑをかたり 客に馳走しける
まことに親子は こつにく一たい(骨肉一体)といへども
その気の通ずること かくのごとき孝子にあらざれば
なんぞ此ことあるべき
至孝の心ふかきことわり 然もあるべきなり
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