この本での「黄香」の読み方は「くわうきやう」なので現代仮名に直すと「こうきょう」ですね。ほかの本では「わうきやう」「くわうけう」「くはうきやう」「くわうかう」など様々。発音にすると「おうきょう」「こうきょう」「こうこう」のどれかかな。今のところ「おうこう」はなかったような。
『和漢廿四孝』(東北大学附属図書館所蔵)
出典: 国書データベース,https://doi.org/10.20730/100445689
黄香(くわうきやう)
黄香は後漢の世 江夏安隆の人なり
九才のとき母におくれ 父につかへて孝心ふかし
夏のあつさ つよきときは 父の床のうちをあふぎ
すずしくして寝さしめ
冬のさむき夜は わが身のぬくもりをもつて
とこの内をあたため 臥さしむ
それのみならず つねのおこなひ 父のことばをそむかず
よく孝行をつくせしかば ところのやくにん 此ことを
表文にかき 時の天子和帝にそうもんしければ
ことのほかに御感あり あまたほうびを給はりて
孝子の名をあらはせしと也
ーーー