三番目は老莱子。
老莱子ろうらいし
老莱子は二人の親に仕えたる人なり。されば老莱子七十にして身にいつくしき衣を着て幼き者の形になり 舞ひたわふれ 又親のために給仕をするとて わざと けつまつきて転び いとけなき者の泣くやうに泣きけり。
この心は七十になりければ年寄りて 形うるはしからざるほどに さこそ この形を親の見給はば 我が子の年よりたるを悲しく思ひ給はん事を恐れ また親の年も寄りたると思はれざるやうにとのために かやうのふるまひをなしたるとなり。
いつくしき・・・ただならず美しい。
70の我が子の泣きわめく姿を見せつけられる親の気持ちはいかばかりか。8050問題どころではありません。