2018-08-13 女庭訓・16 朱壽昌 朱壽昌(しゅじゅしょう) 書籍/女庭訓(渓斎英泉1843) 朱寿昌 棄官尋母「官を棄てて 母を尋ぬ」 朱壽昌は七歳のとき父其の母を去りけり さればその母をよく知らざりければ このことを嘆き侍れども つひに合はざること五十年におよべり あるとき壽昌官人なりといへども 官禄をも捨て 秦といふ所へ尋ねに行きけるとて 母に会わせて給へとて みづから身より血を出だして 経を書きて 天道へ祈りをかけて たづねたれば 心さしの深き故に つひにたづねあひけるとなり